INTERVIEW インタビュー

美空かなた役:中川梨花

 

【『菜なれ花なれ』本編について】

本作で好きなキャラクターとその理由を教えてください。

好きなキャラは、やはり私が演じた「美空かなた」ちゃんです!かなたは、チアに一生懸命で、明るくて友達想いで、でも天然で…と、沢山の魅力がある女の子ですが、私にとって彼女の一番の魅力は「普通」なところです。どんなに明るくて一生懸命な性格の子でも、悲しいときには涙が溢れ、走り疲れたら立ち止まることだってある。それが普通です。決して特別ではないからこそ、見ていて彼女に共感できるポイントは沢山あると思います。

 

【ご自身の演じられたキャラクターと役作りについて】

役作りをされる際に意識されたことを教えてください。

「感情を心の赴くまま素直に音にする」ということを意識しました。かなたは、周りをよく見ている子です。誰かが喜べば、それは彼女にとっても喜びであり、誰かが悩んでいれば、それは彼女にとっての悩みにもなる。でも、それは決して彼女が意図的にしているのではなく、そうなっちゃう子なんですよね。なので、演じる私もあぁしよう、こうしようと考えすぎるより、素直な喜びや悲しみの感情をダイレクトに音として出す方が、きっと彼女の気持ちに近いのではないかと思いました。

 

【オーディション・アフレコ時のエピソードについて】

オーディション時にご自身で工夫されたことや、印象的だったエピソードはありますか?

びっくりされるかもしれないのですが、スタジオオーディションには「チアユニフォーム」を着ていきました(笑)コスプレではなく実際に自分が現役のときに着ていたユニフォームなんです。私は、大学生の頃にチアダンスサークルで活動していたこともあり、このオーディションの募集を見たときから何としてでも勝ち取りたいと強く意気込んでいました。なので、もう何でもいいからアピールしよう、やる気だけでも見せよう!と、ユニフォームを着てアフレコスタジオでのオーディションに臨みました。結果、スタッフさんにも驚かれ「せっかくなので一技やって見せてください」とリクエストいただいたので、ターンを披露させていただきました!(笑)

 

アフレコで事前準備されることはありますか?その場合はどのようなことをされますか?

通常、アフレコ本番の一週間前に台本と仮映像をいただいて個人練習をするのですが、本作ではちょっと特殊?な練習をしました。それは、全部のシーンで、自分以外も含めた全キャラの台詞を声に出してみるということです。というのも、ポンポンズは非常によく喋る女の子たちの集まりなので、とても早いスピードで膨大な言葉が交わされるんです(笑)めぐと会話していたのに、気づいたら杏那ちゃんも入ってきている…!みたいな(笑)どこで誰が何を話しているかを俯瞰して理解するためにも、全キャラの台詞は必ずチェックしていました。フォーカスが当たっていないキャラの会話にも耳を澄ましていただけますと、よりお楽しみいただけるかと思います!

 

アフレコで監督や音響監督と関わる際はどのようなコミュニケーションを意識されましたか?

アフレコでは、自分が事前に考えてきた芝居を一度マイク前でやってみる“テスト”と呼ばれるものがあり、それによって、ここはもっとこうしましょう!とスタッフさんとキャストで調整をしていきます。まだ声優としてのキャリアが浅く、常に緊張モードな私に対して、本作のスタッフの皆様はとても親身にご指導してくださいました。指示自体も、「こうしてください」だけではなく、「ここって、実はこういう感情なんじゃないかな?」と、芝居を組み立てる上で重要な気持ちの部分を寄り添いながら一緒に考えてくださいました。繊細な感情を音として出すのは簡単なことではありませんが、こういった温かなご指導のおかげで、最後まで丁寧に作品に向き合うことができました。

 

キャスト同士、またはスタッフと交流する中で印象的だったエピソードはありますか?

アフレコ時にフタッフさんが、本作の舞台である「群馬」のご当地お菓子を差し入れしてくださったことが嬉しくて印象に残っています!本作では、群馬の様々なスポットはもちろん、美味しいグルメも多く登場します。キャラクター達のように、少しでも群馬を感じてもらえたらという、スタッフさんの温かさにほっこりしました♡PoMPoMsのキャストの皆んなと、群馬行きたいな〜♪

 

【歌唱について】

楽曲を聞いた時の最初の印象を教えてください。

ポンポンズが歌唱を担当する楽曲は複数あるのですが、曲によって「わお!チアだ!!」と「え?これ…チアなのか?」という両極端な印象を抱きました!(笑)
最初は、曲によってカラーが異なっているように思うけど、しっかり聞くと、というか聞けば聞くほど、どれもちゃんとポンポンズの曲なんだと思わせてくれる歌詞やサウンドがしっかりあって。中でも私は、ポンポンズならではの、わちゃわちゃ元気な掛け声と、チア感たっぷりの応援拍子が気持ち良いOP曲「Cheer for you!」がお気に入りです♪

 

キャラクターとして歌うときに意識されていることはありますか?

歌声自体をキャラに寄せることも大切かもしれませんが、私はそれ以上に、キャラクターの性格や表情を歌声で表現できるように意識しています。
かなただったら、希望に溢れた幸せいっぱいの笑顔や、ぴょんぴょん弾むような明るく元気な性格を歌声で表現できるように練習しました!

 

楽曲について、視聴者の皆様に注目していただきたいところを教えてください。

ポンポンズの曲はどれも、普段言葉にするのはちょっぴり恥ずかしいけど思い切って相手に伝えてみたい自分の心の中の想いや、自分の力を信じて立ち上がろうと己の心を鼓舞するような強い気持ちをサウンドや歌詞にした楽曲ばかりです。
「誰かに」も大切だけど、「自分に」もちゃんと忘れない。皆様も是非、ポンポンズの楽曲を自分自身の心に響かせていただけますと幸せです。

 

【仕事内容編】

あなたにとって「声優」はどのようなお仕事だと考えていますか?

沢山の人たちが関わって1つのアニメができるとして、声優はその中でも「魂を吹き込む役割」を担っていると考えます。
身体や表情という目に見えるイラストに、声や感情という目には見えない魂を吹き込むのが私たち声優の役目です。与えられたイラストや台詞という情報から、目に見えない声や感情を創造する作業は難しくもありますが、最終的にそのキャラらしさを形作り、現実世界に生かすという大切な役目でもあると考えています。

 

声優のお仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

気をつけているのは、「声だけで芝居をしない」ということです。
私は普段舞台役者としても活動していますが、声優の仕事をする前は、声優は声で芝居をするものだと勘違いをしていました。ですが、アフレコ中に先輩方の手や身体が自然と動いているのを見て、声優は結果的に抜き取られるのが声のみというだけであり、身体全体で芝居をするという点では普通の芝居と同じなのだと気づきました。声だけで形作った芝居ではなく、しっかりと心を動かしながら体全体で芝居をするということを大切にしています。

 

お仕事をしていて面白いと思う瞬間はどこですか?

これで良いんですか?というテイクでOKをいただく瞬間です。
通常は、台本をいただいてからアフレコ当日まで、この台詞はこんな風に言おう、ここはこうしよう、など自分なりのプランを立てて本番に臨みます。ですがたまに、違うパターンでやって欲しいと言われ、それでやってみるとすんなりOKが貰えるなんてことがたまにあるんです。
自分では気づききれていない未知の引き出しを開けたようなそんな瞬間が、お芝居に正解など存在していないこと、そして自分はまだまだなんだと貪欲さに気付かされるようで面白さを感じます。

 

今後お仕事の中で挑戦してみたいことはありますか?

声優として声を吹き込むことはもちろん、さらにその先のステップとして、自分が演じたキャラクターをたくさんの人に身近に感じていただく活動をしたいです!
かなたの場合、ポンポンズとして実際にチアのパフォーマンスを披露したり…☆
私自身もキャラクターと同じ体験をして、その瞬間の気持ちを共有するのも、とても楽しそうです♪