INTERVIEW インタビュー

音楽:谷ナオキ(HANO)/藤井健太郎(HANO)

【「菜なれ花なれ」本編について】

解答:谷ナオキ(HANO)

本作で好きなキャラクターとその理由を教えてください。。

大谷穏花ちゃんが個人的には好きです!
穏やかな癒し部分と時々エキセントリックさを感じる個性部分のギャップが刺さりました笑
僕は絵コンテなどで拝見していたのでアニメでの完成版が楽しみです!

 

ご自身が「ここを見てほしい!」と感じるポイントはどこですか?それはなぜですか?

今回バラエティ豊かめにだいたい40〜50曲くらい制作させて頂いて、
その中でも元々心の動きを表すような「心情曲」を作るのが好きで、この作品は心情曲が多く是非、そんな心情曲にも耳を傾けていただけたら嬉しいです!
他にも物語やキャラクター、応援したい気持ち、みんなの雰囲気、本作にある沢山の魅力を作曲家として花を添えさせて頂きましたので是非たくさんのシーンでの音楽を聴いて頂ければ作曲家冥利に尽きる限りです。

あとは穏花ちゃんヨガのシーンで「ボリウッド風!」ってオーダーの曲がったのですが
初めてボリウッド風の曲を書いて、めっちゃ個人的にそのシーンも楽しみで是非見て頂きたいです!

 

 

【「劇伴制作」の仕事内容について】

「劇伴制作」はどんなお仕事ですか?

端的に言ってしまうと劇の伴奏を作るお仕事です!
お芝居の後ろで流れている音楽を劇伴音楽とかサウンドトラックと言ってそちらを作品毎のベストを探りながら制作します。

 

お仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

劇伴音楽がその作品にとってどれくらいの比重をしめているか?(どれくらい主張するのか?個性的な方が良いか?など)この作品にとっての「音楽の色」がどんなものなのかを常に考えながら制作することです。

色々な作品にもそれぞれメニューがある中、だいたい文字情報としては似たような心情曲ってあるのですが確実に作品毎に求められる部分は違うので、視聴者の方や作品全体の視点を持って、自分なりにその温度感を探ることがすごく大切にしております。

 

お仕事をしていて面白いと思う瞬間はどこですか?

感情の絶妙な違いを音楽で表現したり、派手なシーンの見せ場を作ったり制作という作業そのものも面白いですし、
レコーディングして演奏者さんに引いて頂いて形になっていくのもとっても好きです!
何より実際に使われた時のシーンとの親和性を確認する瞬間やこちらが作っている時の想定と違う可能性を見せていただけたりするのが面白い瞬間だと思います!

 

劇伴を制作する流れを教えてください。

音楽メニューと呼ばれる作品に使われるリストがありまして、
まずそちらを元に監督さんや音響監督さんと音楽メニュー打ち合わせをして
打ち合わせの内容とメニューを元に音楽を制作

アニメサイドの皆様にチェックして頂いてブラッシュアップ

サウンドエンジニアさんと演奏者さんと一緒にレコーディング

最終的に納品する仕様の楽器の音量や音のカラー、音のバランスとかをエンジニアさんに整えて頂いて(Mixとかミキシングとか呼ばれたりします。)
作曲家がチェック(このチェックをTDって呼んだりします。)

納品
様な形が主な業務の流れです!

 

作曲する流れを教えてください。

曲によってかなり違うので中々一概に言えない部分も大きいのですが、
メインテーマだったりはなんとなくの作品イメージと曲のコンセプトを定めた後に
まずはメロディとテンポ次にコード(簡単な伴奏の設計図のような物)とリズムを決めていく流れが追いような気がします。
ただメロディ、テンポ、コード、リズムは実際ほぼ同時なことが多いかもしれません。
その後、その曲の別のパターンの可能性も考えつつ細かい部分を詰めてきます。

 

本作の劇伴収録の際にこだわったポイントなどはありますか?

基本的にレコーディングの時は皆様とっても素敵な演奏者さんが来てくださるので、
僕は楽曲の企画感(何用の曲でどんな感じで弾いていただきたいのか?)をお伝えして後は譜面に沿って収録させていただくのですが、
楽曲毎の雰囲気感などは現場でこだわったポイントです!

 

 

【「挿入歌制作」の仕事内容について】

解答:藤井健太郎(HANO)

「挿入歌制作」はどんなお仕事ですか?

主にアニメの作中シーンで流れる歌曲の作詞・作曲・編曲を行います。

 

お仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

作品に寄り添い、作中シーンを盛り上げるため尽力することはもちろんですが、
その楽曲単体を聴いただけでも作中のシーンやキャラクターの表情や感情を想像できるような、印象深い楽曲作りを心がけています。

 

お仕事をしていて面白いと思う瞬間はどこですか?

本作ですとダンスシーンにあたりますが、挿入歌はCG演出を交えるような凝った演出で披露されることも少なくありません。
完成した映像と合わせて観る瞬間はいつも感動しますし、より楽曲の世界を広げていただける面白さや、作品に貢献出来た達成感を感じます。

 

挿入歌を制作する流れを教えてください。

楽曲発注(コンペ形式の場合が殆ど)に対してワンコーラスのデモ音源を提出、
採用後にリテイクや要望を踏まえてフルサイズ制作し、キーが決定する歌録り後に各種楽器収録を行います。

 

本編の内容に寄り添った歌詞が特徴的ですが、作詞のときに意識したポイントはありますか?

作中での各挿入歌が制作される経緯や作り手は本編で明かされますが、その設定やストーリーを意識しつつ、メロディに対して気持ちの良い言葉選びや青春感のある真っ直ぐで等身大な作詞を心がけました。

 

挿入歌ならではの作曲・編曲するときにこだわったポイントはありますか?

よりそのシーンの臨場感やキャラクターの心情が伝わるような展開や音色選び、アレンジのアイディアがないか常に探るようにしています。
これは挿入歌に限らずですが、ボーカルが仮歌からキャラクター歌唱に差し変わった際にインスピレーションを得ることは多々あります。

 

 

解答:谷ナオキ(HANO)

監督や音響監督、音楽プロデューサーとのコミュニケーションの中で印象的なものはありますか?

印象的なのは上記でも書かせて頂いた、コーラス入れたいですねってお話や
「応援したい気持ち」作品自体の持つ明るさの部分と人間ドラマの部分を音楽でも表現して頂きたいですってオーダーが今作の音楽制作のキモな気がしていて大切にしました。

 

普段生活している中で、「職業病だなぁ」と思うところはありますか?

日常のいろんな時、ふとした時に今、この瞬間に音楽をつけるとしたらどんな曲が良いのかな?と妄想してみたり、外で流れている音楽はほぼ無意識で聴いていたり、
後、結構色々な作品を見る中でやっぱり音楽はよく聴いているような気がします。

 

本作の楽曲を視聴する際におすすめのオーディオがあれば教えてください。

わーー難しいですね…!
自分が一番気持ちいと思ったり馴れているデバイスがいいと思うような気がするのですが、
強いてあげるなら僕はよくヘッドホンで視聴するのでヘッドホンで!

 

演奏できる楽器の種類を教えてください。

ギター>ピアノ>ベースでそれぞれ少しずつ感じです!

 

今後お仕事の中で挑戦してみたいことはありますか?

元々映画が好きで映画は絵に合わせて曲を作るので、
しっかり絵やシーンに合わせて作るような作品に挑戦したいです!