INTERVIEW インタビュー

杏那・アヴェイロ役:武田羅梨沙多胡

 

【「菜なれ花なれ」本編について】

本作で好きなキャラクターとその理由を教えてください。

もちろん杏那!…なのですが、杏那以外だと、杏那の幼馴染・穏花も好きです。いや、登場人物みんなが好きです。穏花は、穏花役の石見舞菜香ちゃんのお芝居がとても面白くて、良い意味でアフレコ前とアフレコ後でガラッとイメージが変わった役でした。友達になるなら絶対穏花です!

 

ご自身が「ここを見てほしい!」と感じるポイントはどこですか?それはなぜですか?

現場で1話の制作途中の動画を少しだけ観せていただいたのですが、本当に絵が素敵で感動しました。さすがP.A.WORKS.さんと言う他なく、私自身も一人の視聴者として放送を楽しみにしています。アニメーターさんが描き出す絵のお芝居と、私たち声優の声のお芝居、2つのお芝居の相乗効果を楽しんでいただけたら幸いです。

 

【ご自身の演じられたキャラクターと役作りについて】

ご自身が演じたキャラクターの第一印象と、現在の印象を教えてください。

オーディションの時は「嬉しい」「楽しい」のような、ポジティブな感情に全力な女の子だと思っていたのですが、いざアフレコが始まってみると「喜」「怒」「哀」「楽」も、ポジティブもネガティブも、全ての感情に全力な女の子でした。感じたことを感じたままに言う、裸の心の女の子だと思います。

 

役作りをされる際に意識されたことを教えてください。

役作りは私の父を参考にしました。父はブラジルで生まれ育った豪快な人で、杏那をおじさんにしたらこうなるのではないかと思うくらい、杏那にそっくりな裸の心の持ち主です。もし父が女性声優だったら杏那役は父に獲られていたと思います。父が声優じゃなくて良かったです。

 

【オーディション・アフレコ時のエピソードについて】

アフレコで事前準備されることはありますか?その場合はどのようなことをされますか?

杏那は英語とポルトガル語を流暢に話すシーンが度々あるのですが、そういったシーンの事前準備は毎回大変でした。ポルトガル語が話せる母にほとんど毎週電話しては「ところでポルトガル語で〇〇ってなんて言うの?」と聞き取り調査をしていました。情報解禁されたらやっと「あの電話はこの作品の為だったんだよ」と打ち明けられます(笑)。

 

アフレコで監督や音響監督と関わる際はどのようなコミュニケーションを意識されましたか?

音響監督の伊藤さんは新人にも分かりやすい噛み砕いたディレクションをしてくださり、監督も優しく、群馬県出身のスタッフさんは方言指導までしてくださいました。私からコミュニケーションについて意識したことはなかったのですが、みなさんの人柄のおかげで暖かい現場でした。

 

キャスト同士、またはスタッフと交流する中で印象的だったエピソードはありますか?

第1話のアフレコの前に緊張で何も食べられずにスタジオに向かったところ、案の定収録中にとてもお腹が鳴りまして。翌週の第二話の収録日にスタッフさんが「今日は差し入れ持って来ました!!先週お腹が鳴ってる方が居たので!!」と善意100%の真っ直ぐな瞳で差し入れをくださって、恥ずかしいやらありがたいやらで面白かったです(笑)。

 

【歌唱について】

楽曲を聞いた時の最初の印象を教えてください。

どの曲も本当に素敵で、資料をいただく度に身が引き締まりました。作中の展開とリンクしている楽曲もあるので、アフレコのときの気持ちを思い出しながら歌の収録に臨みました。

 

キャラクターとして歌うときに意識されていることはありますか?

キャラクターが歌う歌はお芝居の延長線上にあるものだと思っているので、上手く歌うことよりも、聴いてくれた人に「あの子が歌ってる!」と思ってもらえるようにと願いながら歌っています。
私の歌声を聴いたときに、その子の顔が浮かんでくれたら、一番嬉しいです。

 

楽曲について、視聴者の皆様に注目していただきたいところを教えてください。

素晴らしい楽曲そのものはもちろんなのですが、個人的には歌割りにも注目して聴いていただきたいです。
作中で話が進むにつれて段々と判明してくる登場人物たちの関係性や秘密が歌割りにも反映されています。

 

【仕事内容編】

あなたにとって「声優」はどのようなお仕事だと考えていますか?

デビューしてからずっと考えているのですが、まだ答えは出ません。
ひとつだけ確かなのは、途方もない数の人が途方もない時間をかけて創り上げてくださった作品の、最後のひとさじを任せていただいているということです。

 

声優のお仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

お仕事を楽しむことです!
責任の重いお仕事だと思っているからこそ、それをひっくるめて全てを楽しむというのは私には難しいときもありますが、その難しさすら楽しめるように、いつも大切にお仕事に向き合っています!

 

お仕事をしていて面白いと思う瞬間はどこですか?

携わった作品を観てくださった人の心に、その作品がズドンと刺さって言葉にできない大きな感情を抱えているのをみたときは、「へっへっへ…」と思っています。声優冥利に尽きます。

 

今後お仕事の中で挑戦してみたいことはありますか?

悪役をやってみたいです!!
爽やかで明るい女の子をたくさん演じさせていただいているのですが、いつかそれとは真逆の、湿度の高いドロドロの悪役も演じられるような役者になれたら嬉しいです。